PIC16F84を利用したデジ像(PAV-MP1)車載用アダプターの製作

「デジ像」+
アダプタ全体像
 
赤外線の拡散窓
(アクリル板に傷入れ)
 
アクリル版を削って
赤外線ダイオード埋込
 
回路基板
下のはみ出しはリレー
 
 プリンストンのデジ像を車載用に購入。あちらこちらのブログやwebページで「車載にもってこい」のようなふれこみであるが、電源をいきなり引き抜いた後のレジュームがどうもおかしい。うまくレジュームしてくれることも有るが確実ではない。考えてみればあたり前、電源ケーブルをいきなり抜いたら再生位置の記録に失敗することがあるのは当然のことである。ついにメーカーのファームウェアバージョンアップでも、停止しないとリモコンで電源OFFできないようにしたようだ。
 というわけで、車のアクセサリ電源がOFFになったら赤外線で再生ストップ信号を送り、数秒後に電源を切断するアダプタを作成することにした。ちょっと工夫したことでデジ像本体にはまったく手を入れずに機能を実現することができた。その工夫が上の写真の二枚目と三枚目。ある意味、デジ像に限らず様々な車載機器用の後付型電源アダプターとして応用できるのではないかと思う。赤外線の信号はアクリル板を通してデジ像のリモコン受光窓近くに導かれ、アクリル板につけた傷で拡散されて受光窓から入る仕組みだ。赤外線発光ダイオードのアクリル版への接着は、効率よく赤外線をアクリル板の中に入れるようにアクリル版を削ってその断面にホットボンドで接着した。現在のところ百発百中で停止してくれているので問題はないだろう。ただし、さすがに電源のOFFをこの信号に頼るのは危険だと考える。万が一赤外線での電源OFFに失敗したとしても確実にバッテリーから切り離すようにするべきだ。というわけで、電源はリレーを使ってON/OFFしている。

回路について

CE3データ

 BT(12V)のコネクタは常時12Vが供給されているラインに接続。ACC(12V)のコネクタはアクセサリー電源に接続。PAV-MP1 P-IN のコネクタはデジ像に12Vを供給するためのプラグにつなぐ。製作の過程でいろいろあったため、PICからリレーを駆動する部分に無駄な回路がついている。これから製作しようと思う人はこの部分のフォトカプラは省くべきだろう。PICはたまたま16F84Aを余分に所持していたので少々大きくて無駄が多いがこれを使用した。本当はもっと小さなPICのほうがよいだろう。

プログラムについて
 プログラム(MP-LAB用アセンブラ) 【右クリックして名前をつけてリンク先を保存してください】
 HEXファイル
 ACCのONでRB4が変化してPICがスリープモードから復帰し、約10秒待ってもACCがONで確実に電源のONだと判断できたらリレーをONにしてデジ像に12Vを供給する。USBメモリーからデータが読み込まれ、「レジュームしますか」「はい・いいえ」の窓が開くまでに約60秒かかるので、60秒後にenterの赤外線信号を送信し再生を開始させ、PICはスリープモードに移行する。はじめはenterの送信まで待機100秒にしたがちょっと長すぎたので60秒に変更した。ここは使用するメディアによって適切にしなければならないところだ。私の使っているUSBメモリーはこれでぴったりのようだ。また、リンク先のHEXファイルは60秒になっているのでメディアの認識にもっと時間がかかる人はこのままでは使えないので注意してほしい。

 ACCのOFFでRB4が変化してPICがスリープモードから復帰し、stopの赤外線信号を送信して再生位置を記録させるために約10秒待ち、その後リレーをOFFにしてデジ像への電源供給を止める。


送信する赤外線信号の波形(参考)

 上が付属するリモコンの停止信号
 下が今回製作した回路による停止信号
 ただし、現状のプログラムはリーダー部分をわずかに短くし、付属リモコンにだいぶ近くなっている。

 今回製作した回路によるエンターの信号。リーダー部分は変更後の状態である。
メーカー、機器 の信号は
40 BF
停止、停止の反転 の信号は
30 CF
エンター、エンターの反転 の信号は
D0 2F
のようである。

解析にはdsPICでつくったオシロスコープ(もどき)とSHARPのGP1UD282XKを使用した。